街中にある金券ショップではいろいろなチケット・商品券を格安で提供しています。その中で鉄道に関係する有益なものをご紹介します。
回数券のばら売り
金券ショップは回数券を調達し、1枚単位で販売しています。よく見るのは新幹線ですが、金券ショップによってはJR在来線や私鉄といった少額のものについても取り扱っていますので、すきま時間に近くの金券ショップを覗いて扱っている回数券の種類を確認すると良いでしょう。
在来線・私鉄
SuicaやPASMOの普及であまり見られなくなりましたが、回数券は通常10枚の値段で11枚発行されるため、割引率は約9%と結構お得なきっぷです。金券ショップで買った場合はここから金券ショップの手数料がこれに上乗せされて販売されますが、SuicaやPASMOでオートチャージを利用した場合でも0.5%~3.5%程度ですので、かなり大きい割引率となります。(あくまで通常の場合の比較です。東京メトロのように諸条件が重なると約12%の割引率となるケースもあります。)
東京メトロや大手私鉄では普通回数券以外にも時差回数券や土・休日割引回数乗車券といった種類の回数券が存在します。これは時間帯や日付を指定することで、さらに割引されたものになります。代表的な利用条件と枚数は下記のとおりです。
券種 | 利用可能日(時間) | 枚数 | 割引率 |
普通回数券 | 通年(終日) | 11枚 | 9.1% |
時差回数券 | 平日(10時から16時) 土・休日(終日) | 12枚 | 16.7% |
土・休日割引回数券 | 土・休日(終日) | 14枚 | 28.6% |
なお、JRや都営地下鉄については11枚のみの販売。北総線のように表とは異なる回数券を販売する事業者もいます。
新幹線・特急券
同様に各新幹線や特急の回数券のばら売りも行っています。下記が代表的な路線です。
- 東海道・山陽新幹線
- 東北新幹線
- 北陸新幹線
- 特急あずさ
回数券よりもエクスプレス予約やえきねっとトクだ値のほうが安いケースがあります。
回数券は東京や大阪など「特定都市区内」の駅であれば通常のきっぷと同様に降車可能ですが、エクスプレス予約やえきねっとトクだ値で購入した場合は新幹線降車駅までの切符となり、そこから在来線で移動する場合は余計に費用が掛かります。
どちらが安くできるのか事前確認してから買うようにしましょう。
青春18きっぷ
青春18きっぷは12,050円で日本全国のJR線が1日乗り放題が5回分楽しめるチケットです。金券ショップではこちらの販売・買取も行っています。
ちなみに1日(1回)あたり2,410円となるこの切符は片道141km以上乗ることで元を取ることが可能です。この141kmですが、東海道線では東京駅から静岡県の吉原駅となります。
5回乗っても一度に5人で使っても良いこのきっぷですが、ちょうどよく使い切ることが難しいきっぷでもあります。(1回使用すると払い戻しを受けることができません。)
1回使用すると払い戻しができなくなりますが、未使用分は金券ショップが買い取っていますし、未使用分を購入することもできます。
買取についてはあまり利用期間ギリギリでは拒否をされるかもしれませんが、残り1回や2回という青春18きっぷは需要があるようなので面倒くさがらずに足を運んでみることをお勧めします。
株主優待券
金券ショップでは株主優待券についても販売しています。鉄道関係ですとJR各社や私鉄各社が発行する株主優待券の買取・販売を行っています。
私鉄
私鉄各社は全線乗車可能な乗車券となり、1度きりのきっぷタイプのものと期間中何度でも利用可能な定期券タイプのものがあります。金券ショップで出回るのはきっぷタイプのものが多いです。
京成線のように上野~成田空港を乗りとおす場合などに利用すると良いでしょう。
JR
JR各社は私鉄とは異なりきっぷの割引となります。会社によって差があり10%から50%引きとなります。
対象は各社の営業路線内のみになり、運賃は片道乗車券が対象、料金は片道の特急券、急行券、グリーン券となります。定期券や回数券、Suicaなどの乗車券、青春18きっぷなど企画商品も対象外であり、金券ショップで入手する場合は使い道が決まってからのほうがよさそうです。
気を付けておくこと
このように便利でお得な金券ショップですが、利用にあたって気を付けておきたいことがいくつかあります。
- 売られているものが限られる
- 必ずしも安いとは限らない
- クレジットカードが利用できない
- 払い戻しが受けられない場合がある
売られているものが限られる
当たり前ではありますが、購入できるのは金券ショップに並んでいるもののみです。実在するすべてのチケットを取り扱っているわけではありません。また、金券ショップのなかでも得手不得手があり並んでいる商品が店ごとに異なりますので、普段からよく品ぞろえを確認しておきましょう。
また普通に入手するよりも有効期限が短めになるケースがあります。これはその金券ショップの購入~販売までのサイクルによりますが、あらかじめ仕入れたものを販売する都合上どうしても短くなります。
必ずしも安いとは限らない
金券ショップが必ずしも安いわけではありません。
東海道新幹線のようにエクスプレス予約を利用することで、正規の回数券1回分よりも安くなるケースもあります。
クレジットカードが利用できない
金券ショップではクレジットカードが利用できません。
残念ながら、安いチケットをクレジットカードで購入して、ポイントもゲットとはなりません。
インターネットのサイトで買取金額と販売金額の差額を見ればすぐわかりますが、金券ショップは1枚当たりの利幅が少ない薄利多売な商売です。一方のクレジットカード会社は数パーセントの手数料をカード利用時に販売業者に請求しているといわれており、金券ショップがそれを負担することは難しいからではないかと思います。
正規の払い戻しが受けられない場合がある
青春18きっぷのように1回でも使ってしまうと、JRから払い戻しを受けることはできない券もありますので、あらかじめ確認しましょう。
なお、払い戻しが受けられない券は金券ショップに買い取りをお願いすることで、いくらか損失を補填することができます。この場合、買い取り価格は時価となってしまうため、有効期限が間近であったり需要が低迷していたりする場合は買い取り金額が下がったり、買い取りを拒否されることがありますので注意してください。
なお、在来線普通回数券のように手数料がかかりますが、払い戻しを受けられるケースもあります。(新幹線回数券のように払い戻しができないタイプもあります。)
最後に
いかがでしたでしょうか。金券ショップは東京駅、新橋駅、神田駅、新宿駅など都内のビジネス街に点在します。ほかにも航空会社の優待等の販売なども行っておりますので、ぜひ一度足を運んでみると良いと思います。