日本では会社までの通勤費は給料とは別になっている会社が多いと思いますが、一方で自分で購入する人もいるかと思います。ちょっとした工夫で定期はお得に買うことが可能です。
そもそも定期券が必要か確認する
出張が多かったり、テレワークなど月の数日しか自分のオフィスに勤務しない人もいると思います。まずはどのくらいオフィスに出勤しているのか確認しましょう。
6ヶ月通勤定期券の元を取るにはJRの場合、最低でも12日は利用する必要があります。
東京駅~柏駅間 | 運賃 | 日数 |
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往復きっぷ | 1,222円(IC) | |
1ヶ月通勤定期 | 16,800円 | 13.7日分 |
3ヶ月通勤定期 | 47,870円 | 39.2日分(1ヶ月あたり13.1日) |
6ヶ月通勤定期 | 80,620円 | 66.0日分(1ヶ月あたり11.0日) |
また、定期の割引率は各社各様で異なることも注意が必要です。JRは割引率が高く、私鉄は低めの傾向があり注意が必要です。私鉄は運賃が安いイメージがありますが、定期の割引率という点ではあまり割引率が高くなく、下記の例では月に17日も利用しなければ元を取ることができません。
渋谷駅~たまプラーザ駅間 | 運賃 | 日数 |
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往復きっぷ | 502円(IC) | |
1ヶ月通勤定期 | 9,440円 | 18.8日分 |
3ヶ月通勤定期 | 26,910円 | 53.6日分(1ヶ月あたり17.8日) |
6ヶ月通勤定期 | 50,980円 | 101.6日分(1ヶ月あたり16.9日) |
つくばエクスプレスや北総線といった近年開業した路線はとくに定期の割引率を低く抑える傾向があり、よく確認する必要があります。何日か在宅勤務が認められている会社であれば、思い切って月数日在宅勤務を入れることで、交通費を浮かせることができるかもしれません。
定期券を買うほどでもない場合、正規の場合は回数券、都内の外出が多い場合は一日乗り放題(都区内パスなど)を利用することで正規運賃より安くすることが可能です。また、金券ショップなどでは私鉄の株主優待券や回数券や青春18きっぷのバラ売りなども行っていますので、足を運んでみるといいと思います。
一駅先の駅までの定期券を購入する
通常、自宅近くの駅から会社や学校の近くの駅までの区間の定期を買うことになると思います。しかしながら、一駅先や一駅手前で購入しても同じ値段で遠くまで買うケースがあります。うまくいけば、ちょっとした買い物で隣の駅まで行くときに運賃がかからず移動することができます。
これは電車の運賃が1キロ当たりいくらという長さに比例して上がるのではなく、4キロや5キロといった単位で階段状に上がることに起因します。例としてJR東日本の京浜東北線の大宮駅から赤羽駅までの営業キロと定期代を見てみましょう。
大宮から | さいたま 新都心 | 与野 | 北浦和 | 浦和 | 南浦和 | 蕨 | 西川口 | 川口 | 赤羽 |
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営業キロ | 1.6 | 2.7 | 4.3 | 6.1 | 7.8 | 10.6 | 12.5 | 14.5 | 17.1 |
1ヶ月 | 3,950 | 3,950 | 4,940 | 5,270 | 5,270 | 6,580 | 6,580 | 6,580 | 9,220 |
3ヶ月 | 11,270 | 11,270 | 14,090 | 15,010 | 15,010 | 18,760 | 18,760 | 18,760 | 26,290 |
6ヶ月 | 18,980 | 18,980 | 23,710 | 25,290 | 25,290 | 31,620 | 31,620 | 31,620 | 44,260 |
大宮駅~赤羽駅間は電車特定区間にあたるため3キロ、6キロ、10キロ、15キロ、20キロの5段階で運賃が上がります。例えば、大宮駅からの営業キロが10.6キロの蕨駅から同14.5キロの川口駅の間は10キロ以上15キロ未満の範囲に収まるため、同じ金額になっているのがわかると思います。
定期券の経由地を工夫する
定期券の経由地を工夫することでも定期で乗り降りできるエリアを広げることができます。特に東京の山手線や大阪の大阪環状線内のように、JR各線が入り組んでいるところでは有効です。
例えば中央線の御茶ノ水駅~神田駅区間を御茶ノ水駅~神田駅とそのまま買うのではなく、御茶ノ水駅~秋葉原駅~神田駅と秋葉原駅を経由する定期券とすることで、秋葉原駅で乗降することが可能となります。(御茶ノ水駅から神田駅まで中央線(快速)を利用した場合は1.3キロですが、秋葉原駅を経由した場合は1.6キロとなり0.3キロ分遠回りをすることになります。この差によって桁が)
同様のことは総武快速線と中央・総武線の錦糸町駅~東京駅でも行うことが可能です。錦糸町~東京間を快速線ではなく、各駅停車で購入することが可能です。(この場合、秋葉原駅経由の場合は5.4キロ、新日本橋経由の場合は4.8キロとなり秋葉原経由のほうが0.6キロ遠回りになります。)
ほかにも赤羽駅~大宮駅の京浜東北線・埼京線や品川駅~横浜駅の東海道線(上野東京ライン)・横須賀線などがあり、それぞれ埼京線のほうが0.9キロ、横須賀線経由が2.9キロそれぞれ遠回りとなっています。
分割購入をする
分割購入は定期券を2枚に分けて分割して購入することです。これは上記の通り運賃算出が数キロ単位で幅思っているため、分割することで安くすることができるケースがあるからです。
例えば東京駅~八王子駅間の場合、片道きっぷ820円、6ヶ月通勤定期116,990円かかるところが、新宿駅で東京駅~新宿駅、新宿駅~八王子駅と2つに分けて購入すると片道きっぷは690円、6ヶ月通勤定期98,020円となり差額は片道きっぷで130円6ヶ月通勤定期で18,970円と大幅に安くすることができます。
分割購入の場合でも、1枚のSuicaカード・モバイルSuicaに搭載することができ、通しで買った場合と同じように使うことが可能です。
分割購入の詳細は下記のページにまとめました。
私鉄のサービスを利用する
京王線の「どっちーも」、西武池袋線「だぶるーと」、同新宿線「Oneだぶる♪」など行きと帰りで異なる乗車駅・ルートを認めてるサービスがあります。外回りが多い、休日特定の街に出かけるなど利用状況にあわせてこのようなサービスを使ってみてはいかがでしょうか。
京王線の「どっちーも」
京王線の「どっちーも」は京王本線の新宿駅と井の頭線の渋谷駅の両方を通常の定期券に加え1カ月であれば+1,020円で利用することができる仕組みです。新宿駅までの定期券であれば、渋谷駅乗降が可能になるという仕組み(渋谷までの定期券の場合はその逆です。)です。通常の定期券と異なり、新宿駅までの定期に渋谷駅を付けたケースでは、渋谷駅のみが乗降対象で明大前~渋谷駅の途中駅(東松原駅~神泉駅)はふつうに運賃を取られるので注意してください。下北沢駅など井の頭線に用がある場合は、新宿駅行の定期券ではなく渋谷駅行きの定期券に新宿乗降を可能なようにすると無駄がないです。
西武線の「だぶるーと」・「Oneだぶる♪」
西武線のサービスは京王線と異なり、乗換駅の多様化を認めて着席ニーズにこたえています。西武池袋線の「だぶるーと」は、有楽町線・副都心線に直通される方向けの定期券で小竹向原駅経由と池袋駅経由の両方を利用することができるサービスで行きは直通で、帰りは池袋から始発で乗れることができます。新宿線の「Oneだぶる♪」も同様で高田馬場駅でのJR乗り換えの定期券に西武新宿駅での乗車が可能になります。こちらも高田馬場駅経由で山手線に乗り換えて、帰りは西武新宿駅経由で座って帰宅という使い方ができます。残念ながら高田馬場駅から山手線を新宿・渋谷駅方面の内回りでのみ計算され、池袋駅などの外回りも内回りとして計算されてしまうので、高田馬場駅で池袋駅方面に乗り換えている人には勧めにくいものになっています。
クレジットカードを利用する
クレジットカードを利用することで、カードのポイントが貯まります。ほとんどの鉄道会社でクレジットカードが利用可能ですが、一部対応していない会社や自社カードに限定している会社もありますので注意してください。連絡定期の場合は連絡先から買うことも可能ですので自宅近くの鉄道会社が非対応であっても、会社の近くの鉄道会社が対応していれば、会社の近くの鉄道会社でクレジットカードを利用して買うことができます。
クレジットカードを用いたオートチャージについては以下の記事もぜひご覧ください
さいごに
いかがでしたでしょうか、指定された通り買うことが多い定期券ですが、利用する鉄道会社や経路によってお得な利用方法もすることもできますので、定期の更新や新生活の際の参考になれば幸いです。